有馬温泉のガイドさんと一緒に行った「太閤の湯殿館」。
ここ「太閤の湯殿館」は1995年の阪神淡路大震災の時に壊れた極楽寺の庫裏の下から偶然、秀吉ゆかりの湯山御殿の一部が出土したものを展示しています。
震災が無ければ見つからなかったかもしれないのですね。
奇跡といえば、奇跡。
秀吉が造ったものとされる温泉跡がそのままの形で展示されています。
上から覗き込むように見ることができます。
他には、有馬に関わりのある行基菩薩や仁西上人などのことも知ることができますよ。
場所は銀の湯からすぐ近くにあります。
ちょっと足を伸ばして歴史を学んでみませんか?
太閤の湯殿館

入り口はこんな感じです。
入館料金は大人200円。
中には、年表や出土した瓦や茶器などが展示されています。
そして、こちらが出土した温泉跡です。↓↓↓

太閤秀吉が造らせた「湯山御殿」の一部とみられる湯船の遺構。

「ねね様用」の湯船には座って湯に浸かれるように段が付いていました。
太閤秀吉の優しい思いやりを感じます。
写真では全体が写せていないので、是非足を運んでみてみてくださいね。

秀吉は、千利休を伴い、度々有馬の地でお茶会を開いたそうです。
優雅ですね。
太閤の湯殿館情報
営業時間:9時〜17時(入場は16時30分まで)
入館料:大人200円、高校生以下100円
休館日:第2水曜日(臨時休業有り)
電話:078−904−4304
*お得情報
「金の湯」650円+「銀の湯」550円+「太閤の湯殿館」200円=1400円のところ、セット券だと1000円になります。
極楽寺
「太閤の湯殿館」は極楽寺の境内にあります。
せっかくなので極楽寺のことも少し調べてみました。

- 宗派は浄土宗
- 本尊は阿弥陀如来
- 創建は推古天皇元年 594年
極楽寺は聖徳太子が創建したと書いてあります。

〜極楽寺の歴史〜
- 594年に聖徳太子が創建。
- 1097年に洪水により極楽寺が壊滅。
- 1191年に仁西上人に従ってきた河上維清により再興されました。
- 安土桃山時代に秀吉が本堂の横に「湯山御殿」を造る。
- 江戸時代に「湯山御殿」は埋め立てられて庫裏が建てられた。
- 1774年に消失。
- 1782年に再建。
- 1995年阪神・淡路大震災で半壊となり、「湯山御殿」が見つかる。
行基菩薩と仁西上人
有馬温泉に欠かせないこの2人。
どんな人だったのかというと・・・。


行基 668〜749年

奈良時代の僧侶
和泉の出身
奈良時代に有馬の温泉の医療効果を認めた行基菩薩が温泉寺を建立。
行基菩薩が有馬に来たのはなぜ?
言い伝えによると、
行基は、伊丹の昆陽池で貧しい人や病人を助けていました。
あるとき、有馬に傷や病気に効く温泉があることを知ります。
しかし、有馬は山の中にあり、道は閉ざされていました。
行基は、有馬の温泉を開いて病人や怪我人を助けようと思い立ちます。
有馬への山の道を歩いていると、一人の病人が『有馬の温泉は病気に良いそうなので、そこへ連れて行ってください』と懇願されました。
かわいそうだと思った行基は有馬へその人を連れて行くことにしました。
有馬への道々、その病人は行基に願いごとをします。
行基の食べているご飯を与えるが、『新鮮な魚しか食べられない』というため、新鮮な魚を求め与えたり、体の膿を舐めてとってほしいと言う願いも叶えてあげた。
その願いを全て叶えたところ、驚いたことにその病人は金色壮厳な仏の姿(薬師様)になりました。
その薬師様は有馬温泉を復興するように告げ紫雲に乗り東方へと飛び去られたと伝わっています。
行基は有馬に温泉寺を建て薬師さまを象った仏像をつくり祈りを捧げたとのこと。
仁西(生没年不詳)

鎌倉時代に有馬温泉を復興させた人。
仁西上人は吉野で修行をしていた時に権現様に、
「摂津国、有馬に温泉がある。病気によく効くが荒廃しているので再興せよ。庭の蜘蛛に道案内をさせます」。とお告げを受けました。
そのお告げに従って途中まで来たところで、蜘蛛を見失います。
途方に暮れているところに、老人が現れ木の葉を手にして『これが落ちたところに温泉がある』と木の葉を投げて消えてしまいました。
仁西上人は木の葉が投げられた方へと下り、その木の葉を見つけます。
お告げの通りにそこを掘ると温泉が湧き出ました。
このようにして、仁西上人が荒れ果てた有馬の温泉地を蘇らせたそうです。
温泉を復活させた仁西は、12の宿坊を営みました。
今でも、有馬温泉の旅館に坊が付いている旅館が多いのはその流れをくむものや、あやかったものなんだそうです。
金の湯に入浴した有名人
「金の湯」には入浴した有名人の名前が書かれた年表があります。
(金の湯入って右側に掛けてありますよ)
明治時代には、福沢諭吉や伊東博文なども入浴したという記録が残っています。
温泉で疲れを癒したのでしょうね。
大正時代には竹下夢二さん。
昭和に入ると、谷崎潤一郎さんやモナコ王妃も訪れています。

温泉番付
温泉番付というのも展示されて面白いです。
入ってすぐ右側の壁に貼ってありますから見てみてね。
西の大関「有馬」
東の大関「草津」

有馬温泉の歴史をザザっと書いてみました。
もっと詳しく知りたい人は、ボランティアガイドさんと一緒に回ると楽しいですよ。
ガイドさんと一緒でないと行けない場所にも行くことができます。
ガイドさん一人3,000円です。
有馬ボランティアガイドのホームページはこちらからどうぞ

